今日も萌えてます

白帯ライト級腐女子のBLまんが感想

『プロミス・シンデレラ』全ネタバレ2

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作家:橘オレコさん

超絶怖い女が絡んでいたところまでを前回書きました。その後、負った足のケガも完治し、仲居の仕事に復帰した早梅。超一流ホテルの社長令息とぶつかって平謝りします。成吾に会いに来ていたとのことですが、成吾は強張っています。SOSを察知した早梅が助け船に入りますが、それに気を害した社長令息の天馬。おまけに成吾の手を取っていたところを目撃した別の仲居がBL妄想。天馬は「旅館は一流、仲居は三流」と早梅にぼやきます。さらに腹黒い天馬の囁きに、反射的に天馬に暴行を働いてしまった早梅。にもかかわらず、シレっと「失礼します」と去るんですけどね。

シーン変わって、高校生の壱成は10才上の早梅への誕生日プレゼント選びを茶房の上司である洸也に相談しています。アルバイトで得た全財産8万円、内5万円がプレゼントで3万円がクルージングというプランです。ちょっと疑問...クルージング二人分は3万円で賄えるのでしょうか?ま、それはいっか...
壱成「お前15日ヒマ?」
早梅「早上がりだったような...あ、その日誕生日だ!」
壱成「出かけるからな 寄り道しないで帰ってこいよ」
サラっと誘えんのか、あのバカはと祖母にぼやかれる始末(笑)

例の御曹司 天馬が成吾に近づくのは目論見あってのこと。探りのために部下の九重をパートとして潜入させています。身辺調査の結果、成吾と早梅が高校時代からの知り合いで、成吾の親族と同居中との情報を得た天馬は二人が特別な関係と推測します。そして「この女 俺のもんにして利用したろ」とほくそ笑みます。九重が、三日後の我が社のナイトクルージングリストに早梅が成吾の弟壱成と載っている旨を伝えると、天馬は仕事で予定のある成吾の代りに壱成と出かけるのだと、まだ高校生なら早梅と壱成はあり得ないと判断します。ちなみに祖母は壱成の恋の応援者なので、壱成が早梅と成就するよう協力的です。早梅をオシャレに仕立てて二人を送り出します。ディナー中に天馬が主催者挨拶とともに生演奏が奏でられる中、本日誕生日のお客様へと、花束を持って早梅の元へ来ます。天馬の登場に早梅は戸惑っていましたが...食事を終え、デッキに向かった二人の動向は逐一天馬に報告されています。デッキは夜景を楽しむカップルだらけ。ここで壱成はプレゼントのネックレスを渡します。早梅は感激で涙。「ありがとう大事にするよ ずっと」と、壱成にネックレスをつけてもらいます。壱成は「あの時言ってた"ずっと一緒にいて”ってどういう意味?」と問います。赤面しながら「あれは...」と口ごもる早梅にキスしようとしたら両手で頬を挟み撃ちされてしまった壱成。テンパった早梅はお手洗いへと席を外します。早梅は確信を持てていません。「壱成 私のこと好きなのかな 10も上の女にそんな気持ちになるのかな?からかってるのかな」そんな想いが巡ります。いや、多分からかってない...私は...私だって...と迷います。お手洗いから出るとスタッフに誘導されて案内されたプライベートデッキには天馬が待っていました。「あの日からあなたを忘れられなくて...ぼくと付き合ってくれませんか」と、突然の告白。それを即答でお断りします。
天馬「...なぜです?」
早梅「なぜって...私はあなたに惹かれていないからです」
フラれた天馬は内心で「俺が誰かわかってんのか くさるほどおる女の中から お前選んだる言うとんねんぞ あんなふっつーのお坊ちゃんとの恋愛なんか退屈やろ 俺とおった方が刺激もあって楽しいに決まっとる ほんまは迷っとんのやろ 引き止めてほしいんやろ」と散々ほざいた挙句に「あなたを独占したいとは言わない 誰にも内緒で...ね?」と押します。早梅はそれを「触んないでよ」と払いのけ、「あなた私に気なんて絶対ないでしょ」と返します。小競り合いの末、壱成からもらったばかりのネックレスが飛ばされ、落ちてしまいました。天馬が悪びれず「同じものすぐに用意します なんならそれ以上のものでも」と言うも、早梅は天馬を殴りつけます。そして海に入って見つけようのないネックレスを捜します。天馬にも捜せと言い「もしこのまま見つからなかったら絶対に許さないから」と必死です。その夜は諦めて帰るも、壱成に言えずに困っていると天馬からネックレスが見つかったから取りに来いと連絡がありました。いやいや、アンタのせいだから持ってこいよと私なら言うけど、早梅は「すぐ取りに行きます」と返答。なのに早梅の休み日を指定します。強引に約束を告げられ電話は切られました。海に入ってまで捜すとは、自分の命と引き換えレベルに大切なもの...それを引きちぎり海に落とした相手となると不信感を抱いているでしょう。早梅ではなく別の方法で成吾の弱みを握ることを部下の九重から提案されるも、天馬は早梅を落とすことにこだわります。天馬は壱成とダメ要素が被っています。えらそーで傲慢。でも根は悪くない。そして早梅を気に入ってしまうところまで類似しています。ネックレスと引き換えに一日付き合わされた挙句、不意打ちのキスを食らってしまった早梅に落ち度はありません。なのにその事実を知った壱成は激怒します。「どんだけ隙だらけなんだよ」と。ならば壱成はどの立場でそれを言ってるのかと早梅が反撃。早梅は壱成の気持ちを聞きたいのです。なのに壱成は「俺らただの同居人だもんな ソレ(ネックレス)返して 誤解させたらわりーじゃん」と答えたのです。今の二人には年の差と、未成年であることが壁になっています。「壱成はこれから沢山恋愛をして色々学んで大人になっていくんだから、むしろ私は背中を押す立場なんじゃないの」早梅の葛藤です。この状況に、天馬は生意気な壱成を揺さぶる刺客として可愛い女子高校生さくらを茶房のアルバイトとして送り込みます。

早梅は壱成と仲良くありたい。だから壱成をボウリングに誘います。勝負して勝てたらネックレスを返してやるという壱成ですが、勝って今度こそ告白しようと決意しています。片や早梅も自分の気持ちを伝えようと思っています。ボウリング勝負の最中にさくらから壱成に着信アリ。茶房の先輩として面倒みていた壱成ですが、今日は無理と断ります。傍で聞いていた早梅は「行ってあげたら?」と言います。この件で心にブレが生じた壱成が負け、早梅は再度行ってあげるよう促します。壱成が去った後、一人歩く早梅に声をかけてきたのは天馬。ドライブに誘います。一旦断った早梅ですが、落ち込む気持ちを引きずって「どこか連れていってもらってもいいですか?」とまさかの返答をします。
天馬「もしかしてフラれた?」
早梅「...まぁ そんな感じです ふさわしい相手が現れました」
天馬「なにがええの?あんなガキ...年齢以前によぉ」
早梅「わかりません」
...
天馬「年の差一番気にしてんの お前やんけ」
何故か浜辺から海への放り込み合戦になりズブ濡れ。その後も何故か天馬の手作りケーキを食べ、涙が溢れ出てしまった早梅。そんな早梅に「俺やったらアカンか?」と早梅を抱きしめる天馬。そこへ壱成が登場!早梅を連れて帰ろうとするも、早梅は天馬の車に乗り込みます。壱成は助手席のドアガラスを叩いて言います。「俺が途中で抜けたから怒ってんだろ 行けって言ったのはお前だろうが」壱成と早梅は道中で売り言葉買い言葉の喧嘩となります。でも壱成が戻ってきたことが嬉しくて、早梅の涙腺崩壊。ボロ泣きしながら「あんたのこと好きになっちゃた」と告白します。信号が青に変わり動き出す車。天馬は「俺の愛の告白は響かんかったか?」と言います。これは天馬が可哀想。でもさすがは天馬、壱成に気があるままでも「俺を選べや」と迫ります。そこへ駆けつけた吉虎が運転する車の助手席に乗った壱成が並走し、早梅と壱成のやりとりが続行します。この後クライマックス、壱成が言います!「俺が18になったら結婚すんぞ」その後に続く言葉もきゅん死レベルの弾丸をぶっ放される如くで、もうもうたまりません。

まだ続きはありますが、今回はここで区切りますね。続きは”ネタバレ3”で書きます。ではまた。

『プロミス・シンデレラ』全ネタバレ1

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作家:橘オレコさん

ずっぷりとハマりました(笑) めちゃコミックで34話(コミックでは22話)までの無料分を読み終えてからは最新話144話(コミックでは95話)まで一気に課金読みしました。そのくらい夢中です。登場人物たちの良いところ悪いところの描かれ方が秀逸で、絶体絶命な状況を賢く乗り切るのではなく、感情でぶっ壊して、"雨降って地固まる"如く進んでいくような人間臭さがとてもいいです。壊す時には、痛みや悲しみ、虚しさなんかも伴いますが "逃げずに向かうエネルギー を引き出す"そんな気持ちにさせてもらえました。ストーリーを解説していきますので、自身で順を追って確かめたい方はこの続きを読まないでください。

主人公の早梅(はやめ)27才は結婚1年半の主婦で、電車内で"いじめ遊び"をしていた高校生たちに注意します。正義感もあるのでしょうが、そういうカッコ悪さに苛立つ、ちょっと強気な性格です。
夫の不倫に気づき、問い詰めると「他に幸せにしたい人がいるんだ」と告げられます。初犯の一度きりなら許してやろうと思っていたのにまさかの本気にどれほど傷ついたことか察するに余りあります。早梅は”ろくでもない親の元に育って、やっとの思い出自立して、この人とならと思って決めた結婚だった"のに。スーツケース分の荷物と30万円を持って家をでます。しかしその30万をスられてしまい露頭に迷い、そんな時に注意した高校生と再会します。この高校生は壱成17才は、まぁクズ!顔ヨシ、家ヨシで傲慢。札束で頬を叩くようなタイプで、早梅の惨状に挑発してきます。対して早梅は壱成ともう一人の男子高校生を殴り倒します。
文無しホームレス状態で数日、もう限界です。そこへ壱成が現れ「ついてこい、ブス 寝床提供してやる」と言います。早梅も警戒しますが”極限”なんですもん、ついていきます。たどり着いたお屋敷、そこは壱成の家でした。壱成はお前を泊める条件としてゲームをしようと言い出します。ただの暇つぶしとして...「こいつ私で遊ぼうとしてる?」断る早梅と壱成が小競り合いとなり、早梅は掛かっていた300万円の掛け軸を汚してしまいます。そして弁償のために再度ゲームを提案されます。ゲーム自体は得策かと打算を巡らせていると「帰れ」と壱成が言います。小狡い奴は嫌いだと言われた早梅は「信用できる人間か探ろうと思ってただけよ」と返しますが、「じゃぁ、お前の信用の基準って何」と問われます。このやりとりから壱成の猜疑心の強さが表れています。「人間裏切る時は一瞬なんだよ」と言う壱成。早梅の脳裏に浮かぶ夫...「どうしてこうなったのか、どこで間違ったのか」...腹をくくってゲームに応じることにした早梅、こうして早梅と壱成の同居が始まります。

壱成は老舗旅館の大女将の孫で、両親は離婚、10才年上の兄や父とは暮らさず、祖母と吉虎という使用人と暮らしています。祖母である大女将も早梅を気に入り、旅館で働く斡旋をしてくれます。仲居の職を得て出会った洸也35才、女好きでノリが軽く、でも察しが良くて機転も利きます。超上客である西園寺の機嫌を損ねてしまう危機に投入した壱成の暴走失態を華麗に収めてしまう力量もあります。
壱成はすでに媚びない早梅に惹かれ始めていました。なので早梅に構う洸也に嫉妬しますし、自分の”ガキ”さ加減を認識するようになります。
壱成の屈折は両親と兄に起因しますが、まず兄が優秀です。デキの良い兄との比較、そして両親の離婚により母親が家を出ています。後に母親の不倫が原因とありましたが詳細はわかりません。ただ幼かった壱成には”捨てられた”感覚が残っているのではないかと思います。
壱成は口が悪く、心裏腹な酷い言葉を投げかけることがよくあります。そういうところがガキと言い返されて、出て行くことで借金を終わらせる最後のゲームを差し出します。本当は離れて行かれることが何よりも嫌なのに...早梅は出て行く先にあてはありませんが職を得ています。雨の中、スーツケースを引きずり、頑張らなくちゃと前を向きつつ、壱成とのこれまでが思い出されます。以前ホームレスで数日過ごした公園に着いた時、偶然に元夫から声をかけられます。もはや話すことなどありませんが、喘息持ちの元夫の苦しそうにしている姿を放っておけずコンビニに入りイートインスペースに離れて座っていたところ、壱成からの着信履歴に気付き掛けなおします。壱成は消去するつもりが誤って発信してしまったのですが、繋がって「私もう一回ちゃんと会わなきゃって思ってたの 今まで散々お世話になったし...」そんな会話の最中に元夫が発作を起こします。慌てる早梅に元夫の「俺は大丈夫だから」の声が壱成に届いてしまい「寄り戻すの?二度と俺に関わんな」と電話は切られてしまいます。去る早梅を元夫は追いかけ、辛そうだから放っておけないと言います。この元夫が私には解せないのですが、というのも不倫をしました。不倫相手は幼馴染でした。妻と幼馴染を秤にかけてより辛そうな方を選んでいます。つまり幼馴染が辛く不安定な状態なのでそちらを守るために妻を捨てたのです。自分から好きになって、一所懸命口説いて、妻が苦労人であることも知っていて、それでも幼馴染ってどういうことでしょう?自分が誰かの支えになることで満たされるタイプ?わかりません。ただ元夫にも言い分はあります。「いつも本音を言ってくれない 俺はずっと頼ってほしいと思ってたよ でもそうしてもらえないのも俺が頼りないせいだし仕方ないと思ってたんだけど...」と。対して早梅は頼っていたつもりでした。でも結局全然伝わっていなかった...口に出して伝えなきゃ伝わらないんだと気づきます。元夫への未練は微塵もありませんが、壱成には伝えなきゃと思うのでした。片や壱成は、ひねくれて育ち、金で人を屈服させられると思う傲慢な考えが早梅には通じない。元夫から慰謝料ぶんどってこいと乗り込ませた現場で謎の三者面談となり、壱成は元夫を殴るし、金なんかいらないと飛び出す早梅。顔を覆って泣く惨めな状況に、壱成は「悲しい?」と尋ねます。「...悲しい」旦那にすら言えなかった本音を聞けて「頼られたのか?俺...」と自分の存在を感じることができたのでした。だから早梅が旅館の先輩である洸也と親し気に話している姿に「なんでそんな奴に気ィ許してんの?お前に必要なのは俺じゃねぇのかよ」と苛立っていました。壱成の本音は切ないのよね、捨てられるのが怖いんです。「こっちから捨ててやるよ」ってなってしまうのです。だから「私は壱成との関係を切りたくない アンタがいい奴だから 壱成といるのが楽しいから」と言われた壱成はもう完全にハマちゃったんだわ、早梅に。泣きながら抱きしめて、謝って... そんな壱成がカワイイ。幼い子供のように愛おしく感じちゃいました。

ところで旅館で働くようになったものの、社長(壱成の父)や副社長(壱成の兄)と会ったことのなかった早梅が副社長から「僕のこと覚えていますか?」と尋ねられるも覚えナシ。10年前の個人的事情を知っていた副社長...ああ、と思い出した早梅。デートに誘いたい壱成だが、休日に先約アリと...壱成の恋の応援者となった祖母と吉虎も早梅の先約相手が気になります。追跡に乗っかる壱成、この三人で早梅を追います。ホテルレストランでのディナーに緊張する早梅の前にいるのは副社長である兄の成吾。二人の後ろの席についた三人組は聞き耳をたてます。旅館で働くに至った経緯を聞いた成吾は、壱成の滅茶さ加減を非難し「いつになったら成長するんだか」と言いますが、早梅は「壱成は成長していると思う」と言います。壱成に気があるのかと問われた早梅は否定します。壱成ショック!まぁ仕方ないけど、この時点では...でも居たたまれずその場を去ります。成吾と壱成では年齢、立場、収入のどれをとっても分は成吾にあります。経緯あって、事情を洸也に相談し、壱成は洸也が仕切る茶房でアルバイトを始めることになります。早梅はというと、壱成が気になるのです(異性として)。でも10才上のバツイチアラサーとイケメン高校生です。成立しようのない不釣合を感じざるを得ません。

早梅が洸也や壱成と親しくしている姿に嫉妬した同僚からの意見もあり、チームプレイを重んじる旅館の方針として、成吾は別旅館への転職を勧めます。早梅は落ち込みます。人間関係を上手にやっていけない自分が迷惑をかけていると...すると突然成吾は早梅を強く抱きしめ、でも突き放して去っていきます。翌日、早梅がクビになったとの噂が出回ります。知った壱成は早梅に理由を詰め寄ります。別旅館を斡旋してもらうことや転居に伴う面倒をみてもらえる話をすると成吾は早梅に気があると断定します。否定しつつ、10年前の成吾との出会いを話す早梅。荒んだ家庭の事情を抱えつつ頑張っている早梅に惹かれていった成吾。早梅も成吾に恋心を抱いていました。でもそれは実らず...切ない別れだったのです。早梅の生い立ちが描かれていますが可愛そうです。ここを読むと元夫に矛先を向けたい気持ちになります。
さて、同僚との折り合いが悪い程度でクビになるかとの疑念により、壱成は成吾の目論見を暴いてやると息まきます。ここでも洸也はナイスアシスト!早梅は同僚との和解に至り、解雇理由を無くします。ただ成吾の本意は、早梅を守るためでした。何から守りたかったかというと、超絶怖い女が登場します。芸者の菊乃です。

菊乃の成吾への愛情は異常です。じつは菊乃は早梅の離婚の原因になった元夫の不倫相手でした。そして成吾とは高校のクラスメイトでした。執念深く、勝手に成吾に捧げたい変態です。その怖さを知る成吾ゆえに早梅を心配し、遠ざけたかったというのが真意です。壱成は事情を知らない初見での菊乃を「なんか苦手なんだよあの女...目がヘビみてぇで」って、はい、正解ですね。

早梅と壱成の歓迎会があり、未成年なのに飲酒した壱成。酔い覚ましも兼ねて歩いて帰る同伴者は早梅。菊乃に成吾と早梅が抱き合っていたと吹き込まれ疑心暗鬼な壱成は早梅に「お前は俺に嘘つかない?」と尋ねます。「絶対つかない」と答える早梅。ベンチで早梅の肩にちょこんと頭をもたげる壱成のカワイイこと!きゅん死しそうです。

早梅を花火大会に誘うことに成功した壱成。当日は浴衣で雰囲気の異なる早梅をキレイだって褒めたいのに言い出せません。でもお祭りを楽しみながら男と意識させたいと思っています。ちょっとした隙にナンパされた早梅が「弟と来ている」と答えているのを目にします。靴擦れして「似合わないのに」と言う早梅に「キレイなんじゃね?」とぶっきら棒に言い、「ブスがナンパなんかされるかよ キレイだって言ってんだ」とハッキリ言います。それに動揺する早梅は照れ隠し、落ち着け 私。もう好きですやん!完全に。壱成がトイレにと、席を外した際に登場したのが菊乃。どんな企み?不気味で怖い...早梅に挨拶程度で去りますが、実は隙をみて早梅の携帯をスっています。この後、壱成と早梅はすれ違ってしまい、携帯紛失に気付いた早梅は連絡をつけられず困るのですが、菊乃は今度は壱成に近づき迫ります。「年上の女ってどう思う?」問われた壱成は「...すげぇいいと思う」と。キスしようとする菊乃の頬を捉えて「直接目ぇ見てキレイだって言うのがやっとなくらい惚れてる女がいてさ いつか絶対俺に惚れさせて キスはそいつとたっぷりするわ」って拒否るのがサイコー!いいぞ壱成。
この祭りには仕事の付き合いもあって来ていた成吾。途中気分が悪くなり座り込んでいたところ「大丈夫ですか?」と声をかけられます。それは早梅でした。浴衣姿にドキリとします。壱成と来ていたことを知り「姉弟みたいだな」と言いますがホントはそう思っていないでしょう。体調不良で熱っぽい身体、引き留めるために掴んだ早梅の腕。そんな成吾に「頑張りすぎだよ」促す早梅の優しく美しい顔に見惚れます。強固な自制心の成吾だって支えが欲しいんです。早梅が去った後に「行くなよ...」と呟いています。そして早梅の前に菊乃が再登場。壱成を見かけたのでついてくるよう導き、崖から早梅を突き落とします。そして壱成には誤って落ちたと伝えます。その様子を見ていた成吾は菊乃が突き落としたと確信します。壱成、成吾、二人が早梅を探します。見つけたのは...成吾です。「どこか痛むのか?」と問われ、額から出血し、足も痛めているのに「平気」と答える早梅。「熱あるんだから自分の心配しなよね」とヒョコヒョコ歩く後ろ姿に居たたまれず、背後から抱きしめる成吾。羽織を早梅に掛けてやり、抱き上げます(お姫様だっこ状態)。そんな状況でも20時に上がる花火をみる約束を気にしている早梅。成吾は「キスしていいか?」と肩を抱き見つめますが断られます。そういうのって、そういう相手と...と口ごもる早梅に「壱成ならいいのか?」と尋ねますが、答えを待たずに近づけた唇は反射的に手で抑えられてしまいました。それでも「俺を見てくれ 頼む 真剣なんだ」と告げます。
早梅を抱えている成吾と出くわした壱成が「代わるわ」と対峙。譲り合う雰囲気なし。早梅が「ゆっくりなら歩けるから」と降りようとして着地した足に激痛。強引に引っ張っていこうとする壱成にチョップを食らわし「こっちの足首...痛ったい!触んないでそこ!」とバンバン言います。成吾には「平気」っていったのにね。この様子を見て成吾に火が付きます。「さっきはあんなことして悪かった 好きだ もう手放したくない」と壱成の前で堂々の告白です。すると壱成は早梅を抱きかかえて連れ去ります。そしてこの後の展開がすごくいいです。ちょっと興奮しました。
壱成「付き合うの?あいつと」
早梅「ちゃんと考える 成吾も真剣に言ってくれたから」
壱成「悪かったとか言われてたけどなに キスでもされた?」
早梅「...いや...」と赤らんだ顔で口ごもる
次の瞬間、壱成は早梅に被さり、両手で顔を抑えてキスします。「てめーは俺のことだけ見とけ バカ女!」と勢いで... この後はどんな態度をとればよいかと悩みます。
気まずくなりたくないし、引かれたくない...そんな想いで必死な壱成は「あれに深い意味はねーから ノリだから 忘れろ お前の反応試したかったんだよ」と言います。これには早梅も怒り「見損なったよ」と。
一方、成吾と菊乃の関係は菊乃の勝手な想いに絡めとられているのですが、10年前、菊乃が交通事故に遭い、傷を負わせたのは自分のせいだと責任を感じている成吾は、菊乃のヤバさを知りつつも突き放せずにいました。でも今回の事と、早梅の離婚が菊乃のせいだとわかり、もう無理だと別れを告げます。
成吾は菊乃から直接早梅を守りたい想いもあって、壱成達の暮らす家でしばらく過ごすことにしました。こうなると壱成不利!ふて寝します。その様子を「ヤキモチ妬いてんの?」と詰められて「ヤキモチですけど」と顔を背けたまま返答。「お気に入りのオモチャ取られたくねーってだけだけど!」と言い訳めいたことを言います。早梅が「軽はずみでキスされたら 私だって傷つくんだからね」と言うと「...悪かった」と謝る壱成。早梅はニヤニヤしながら「お気に入りなんだ?」「いじけてしまうかもだけど...かわいい」と言って髪をなでてやります。

ここからまた怖いんですけど、今度は菊乃が家政婦として入り込んできます。祖母に取り入って、祖母と吉虎がパリ旅行に行く期間限定ということで。画策がスゴ過ぎ超有能。まさかの展開に一番青ざめているのは成吾です。ところで早梅が元夫の不倫相手が菊乃であったことにようやく気付きます。この不気味な女に早梅の警戒フラグは総毛だちますが、菊乃は歪んだ感覚で成吾を幸せにしようと、今度は成吾と早梅の仲を成就させようとします。自分を愛してほしいくせに、成吾の幸せが私の幸せとすり替えている菊乃にとって邪魔なのは壱成です。常軌を逸している菊乃が壱成になにかしでかすのではないかと心配して、崖事件で足を骨折している状況も不利ですし、まずは菊乃に従いながら反撃に機会を探ります。そして壱成のナイスな着眼!「あのヘビ女 お前の元旦那と繋がってるんだろ?迎えに来てもらえばいいじゃん」ということで、壱成が元夫に接触し、引き取りを要求するも応じてもらえません。元夫は菊乃のヤバさを熟知しているので裏目にでることがわかっているとのこと。壱成は、こんな収穫なしで帰れるかと、元夫の跡をつけ、情報を得ようとします。菓子折りとゴム手袋を持ってどこへ向かうのかと追ってみると、顔に痣のある女性宅前で小競り合いの上に水をかけられていました。耳にした会話から、いかに菊乃がヤバイ奴なのかを悟った壱成は早梅に危害が及ぶ前にカタをつけたいと思い、夜、帰宅途中の菊乃を待ち伏せます。菊乃に警察に連れて行くと言います。「素直についていくと思う?」とスタンガンで応戦。それを躱した壱成でしたが、逃げる菊乃を追った際に、まさかのもう一台のスタンガンでやられてしまいます。翌日になっても帰ってこない壱成を心配する早梅たち。洸也のLINEで「今日休みなの?」と壱成宛に送信し探ります。「わりー、急用はいったから休む」と菊乃がなりすまし返信。「おしぼりどこやった?成吾さん困ってるよ」と送ると、成吾ファーストの菊乃はおしぼりはどこにストックしているのかと縛り付けている壱成に聞いてきました。やり取りの詳細文章から自分の居場所を探っていることに気づいた壱成は「小学生くらいの子供が忘れてった虫かごが置いてある棚」と答えます。これで居場所を特定できた成吾と洸也が救出に向かいます。早梅も壱成を探し、そして見つけました。菊乃と二人きりになるなといった約束を破ったことに怒り、壱成をバシバシ叩きます。号泣しながら抱き着いて「どれだけ心配したと思っ....」と嗚咽します。早梅は”こんなに感情が揺さぶられるのはこの人だけだ”と自覚し「ずっと一緒にいてよ」と言います。
菊乃との決戦は、誘き出し、壱成の挑発に激高し、縛られている壱成に刃物を向ける様子を撮影し決定的な証拠を確保しました。もはや犯罪の域ですからね。成吾は菊乃に言います「俺に関わらないと約束してくれ 破るようならこの証拠を警察に突き出す 君との関係は今日で終わりだ」と。成吾に拒絶されて放心な菊乃だが、壱成は警察に突き出すべきと言います。「女の顔にヤケドさせるような奴だぞ 野放しにできるかよ」と聞いて「なんのことだ?」と聞き返す成吾。知らなかった事実を知るに至ります。

10年前、菊乃は優秀な成吾とクラスメイトだったのですから進学校に通っていたのでしょう。成績一位は成吾。頑張っても二位の菊乃は容姿が醜いと母親には疎まれていました(母似なんですけどね)。いじめにもあって辛いなか、成吾だけがフツーに優しく接してくれる人でした。成吾が早梅にフラれたと逆恨みし、早梅を追いかけようとしたところを車にはねられました。責任を感じ、毎日見舞う成吾。家族にも見放されている自分を唯一みてくれる愛しい人...と、成吾に心酔します。高校を辞め、ブス専の風俗で身体を売り、整形を繰り返し、美しい姿を手に入れて芸者になりました。この過程においても成吾以外の人を憎み、特に自分をいじめていた奴らに報復もしていました。それが”女の顔にヤケドをさせたという”事件。実はこのヤケド女子が旅館のお得意さんの娘で、当時、成吾に好意を持っていたのです。う~ん...成吾は悪くないけど、色男が原因で少なくとも3人の女が酷いことになっている...とも言えるような...まぁ、菊乃はとんでもない奴ですが、菊乃も辛い目にあってきたのでした。
ヤケド女が菊乃の正体を知って報復の報復にやってきました。タチの悪い男二人を伴って。で、絶体絶命な状況に助けに入ったのが早梅なんです。ただ既に通報済みでしたので警察も駆けつけて事なきを得ました。その後、菊乃は...元夫が助けて行くのだと思われる終わり方でした。

 

ここまででめちゃコミック91話(コミック61話です)この先も最新話まで読んでいますが続きは別に致しますね。今回は長文過ぎましたが、続きも長文になりそうです。

『ハツモノパパ(仮)』

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作家:中川カネ子さん

めちゃコミックでは、同作者の作品は以下の通りです。(全部読む予定)

  • ワリキリ
  • 自惚れミイラとり
  • アダルトアテンダント
  • Miracle John
  • 兄弟失格それ上等
  • ドラフトラブ
  • 従順にワンと言って
  • オスワルド
  • ハツモノパパ(仮)

『ワリキリ』と『自惚れミイラとり』はすでに感想済み。『アダルトアテンダント』と『Miracle John』は読み済み。5作目として『ハツモノパパ(仮)』を読みました。
今のところ最もよかったのは断トツで『ワリキリ』ですが、今回はちょっと趣が異なってほのぼのです。あまりエロくもありません。

保育士の夏芽と父兄の萌人園児ららくんの父兄である萌人は実の父ではなく双子兄妹の兄で、亡くなった妹の代りにららくんを育てています。ららくんは夏芽の勤める保育園に編入 してきたのですが、お迎えにきた父兄の中で一際美しい萌人に夏芽は魅入ってしまいます。夏芽だってそこそこカッコよくて、それなりにモテてきたと自負心ありで、ちょっと萌人に嫉妬。元モデルだと知り「いけすかねぇ」なんて思います。10年前、萌人が現役モデルだった頃、雑誌なんかも購入してたし、端末に画像も保存していたことに気づき「相手男よ⁇保存枚数32ってなに...」写真を眺めると別格なイケメンと認識せざるを得ません。さらに夢にまで萌人が出てきて自己嫌悪します。

今期は延長保育担当の夏芽はららくんとお迎えの萌人を待っていますが、時間を過ぎても未だ来ません。ららくんがね、聞き分けのいい出来た子なんですよ。「でんわしないで もえとくん しごといそがしいから でんわできないかもしれない」だから一人で帰ると言い出します。夜です。外は暗いし、園児を一人で帰すわけにいかず、夏芽は送っていきます。家に到着したところで萌人が息を切らせて帰ってきました。帰ろうとする夏芽をららくんが引き留め、おじゃますることになります。この時に家庭の事情を知るに至るのですが、萌人の事情も垣間見ることになります。かなりのイケメンで、さぞモテ人生を謳歌 してきたと思っていたら、これまでにお付き合いした人が居たことないというカミングアウトで童貞判明。萌人31才です。夏芽ショーゲキ!「妖精だ。目の前に妖精がいる‼こんなに整っているのに妖精って⁈」スイッチ入っちゃった夏芽が迫ります。萌人の初々しい態度を可愛いと思っちゃうのですが...「何してんのオレ」と我に返ります。だって相手は男だよ、綺麗ったって男だよ。さぁどうしよ、お遊びとか言えない雰囲気が漂う中、萌人が「これから俺達どうなるんですか...先生が大丈夫ならよろしくお願いします」と言います。夏芽の内心→「えーと? 何言ってんの...オレら男同士で そこに対しては... あれ?つーかオレ今告られたの?」と一瞬戸惑いますが、男同士でもこの顔なら有りだなとの結論に至り「こちらこそよろしくお願いします」と決着。やっぱ顔なのね。

さてラブライフスタートかと思いきや、萌人の態度がクール過ぎ。それなら「彼氏としてのオレの女子力見せてやんよー」となりまして、ららくんと帰宅して、お風呂掃除したり、料理を作ったりして萌人を迎え撃ちます。実は夏芽は料理が得意で、ららくんの希望するオムライスとカレーの両方を作ってあげます。子供の心を鷲掴みにするクマさんデコだったり、ハート型だったりで、ららくんのテンションは爆上がり、そこがとてもカワイイんです。そしてららくんが「よかったねぇ なつめせんせいまたきてくれて‼ さいきんまいにち きょうなつめせんせいなにしてたの?ってきいてたもんね‼」と言います。夏芽に「この数日なんでオレを避けたのか教えてほしいな」と問い詰められた萌人は、初めての恋人の存在にどういう態度をとるのが正解かわからずにいたことを渋々打ち明けます。そんな萌人にすっかりハマってしまう夏芽。これで少し恋人らしく進展しますが、うぶな萌人に合わせて「徐々に段階をふんでいこう」と決意します。

夏芽は察する力もコミュ力も高めですが、萌人は少しズレていて、常識的なことにおいてもちょっと心配。だから「オレがしっかりしよう‼」と思う夏芽。そうね、ちょっと萌人はめんどくさいし、自分からは動くタイプじゃないし、愛情表現力もお粗末だと思います。だから夏芽くんとは合うと思いますが、夏芽くんが女子ならどうだったのかな?もともと夏芽くんはノンケだったけど萌人ならOKとなり、萌人は...もともと男でも女でも問わないタイプだったのか、その辺は謎です。

この話では、やっぱりららくんの存在が光ります。ほんとにカワイイ。萌人の寝顔に「ママ」と呟くシーンはちょっと切なくなりましたが...そのららくんの父親が登場しますがとんでもなくゲス。そして萌人に執着している変態。夏芽に対して「あの堅物美人どうやって落とした?」と聞いてきます。「子供ダシにして絆したとか」と問われ沈黙。そんなつもりなかったけどそうかも...

結局、好きになるっていろんな要素でそうなるんだと思います。子供を可愛がってくれる、料理が上手である、こちらのペースに合わせてくれる...居心地の良さは大事ですもの。なかなか表面化しない萌人の内面の変化も微笑ましいです。そして完璧に美しい男なのでキめてくれます!完璧な腕枕を。やっぱ、そこは男なのね。

あ、最後にひとつ、ワタシ的に萌人の残念なところ...それは髪型。キノコです!私の苦手なキノコヘアー。(まったくの個人の好み&偏見です)

『自惚れミイラとり』

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作家:中川カネ子さん

同作者の『ワリキリ』が面白かったので、他のも!と思い、読んだのがこれですが、大当たり。もっとコミカルで、エロ度は低く、笑い度は上がります。

イケメンでモテるハルと、超絶美少年だったイオは、中学時代からの先輩後輩です。イオはカワイイ容姿を女子にも愛され、たまたまイオがきっかけで女子に軽んじられたハルですが、イオを茶化した悪口を鵜吞みにした後輩がに暴行を働くところに遭い、イオを助けます。それ以降イオに慕われ続け、高校も大学も、さらには勤め先も追ってきたイオ。まるで忠犬のよう。営業と総務で部署が異なるため、一緒に居たくて煙草まで始めたり...自分にだけ超従順で、なおかつ美貌も健在。そんな容姿から熱い眼差しを10年受けてりゃキープしたくもなる、そんな心境のハル先輩です。でも、いくら可愛くてもイオは男、というわけでモテるハルが女性に不自由することはなく、イオはただのカワイイ後輩というポジションです。
ある日、同僚にゲイかと問われたイオは放心。ゲイと自認しておらず、だからと言って反論もできず、「そんな僕はきもいですか?」と、酔ってハルに泣きつきます。抱きとめて、ヨシヨシしながら慰めるハル先輩は「コイツ自覚なかったんだぁ」と、ちょっとびっくり。

このイオくん、可愛いけれど、私は苦手なタイプです。まずめんどくさい!ゲイ疑惑払拭のため、誘われてソープに行くもコトに至れず。それに凹んで、泣きながらハル先輩んちに押しかけるといった具合に、事あるごとにこんな感じです。話を聴いてやりながら、ハル先輩の内心はこうです。「お前は俺のことが好きなはずだろーが、何 風俗なんか行ってんだよ」そして「不能かどうかいじってやろっか?」とエロモードに突入します。節目がちに「ハル先輩の顔 かっこよくてドキドキしちゃいます」と言われ、ずっきゅんキて、テンションが上がります。不能でなかったことは証明できたのですが、それでもイオはハル先輩に恋するゲイだという認識を持っていません。それを気付かせたいと思うハル先輩ですが、もう、最近では女子よりもイオが可愛く見えて、自分の恋愛対象に危機感を感じます。なまじモテるハル先輩ですから、自分を慕う後輩男子に、自分から好きだなんて言えませんし、言いたくもありません。言わせたいんです。

いちいち可愛いイオ。一緒に食事して、その時のイオのカワイイ態度と顔!
「つーか、なんつー唇してんだコイツ、正気か⁈ どう考えても、さっき食った串カツの油だろうけど!わかってんだよ‼わかってんだけど吸い付きたい故に一旦正気に戻れ‼」と自分に言い聞かせます。そんなハル先輩の葛藤がオモシロイです。

私がイオくんを「ちょっとなぁ~」と思う理由の一つが髪型です。これは好みの問題ですが、いわゆるキノコ、キノコな髪型な男...は好きじゃない。でもまぁ、髪型も相まって女子っぽいです。

なんだかんだでハッピーエンドですが、結論、可愛いは正義!カワイイは性別を不問にします。これがBLの世界。

『ワリキリ』

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作家:中川カネ子さん

BL漫画週間38位(めちゃコミック)、3話無料でしたので読んでみたところ、面白くて引き続き最後まで課金読みしました。

あらすじは以下の通りです。
「一晩の相手としては まぁ いいか」仕事で疲れ切った柊は、ゲイのマッチングアプリで相手を探していた。条件は3つ。(1)完全ワリキリ (2)無駄話無し (3)後腐れなく 一方、女の子との恋愛に違和感が消えなかった高校生の行哉は、試しに男としてみることに。一回きりのつもりが、相性は最高で、気づけばセフレになっていた柊と行哉。割り切った関係のはずが、純愛が育っていって...そんなある日、ふたりは街で偶然出会ってしまい。

まず、マッチングアプリについてですが、未経験者としては、そういう出会いは危ない、怖いという先入観です。でもゲイとなると、自然な出会いの確率は低くなりますし、出会いの手段としては一般的なのかな?と思いつつ...でもこの話の登場人物は恋人が欲しいわけではありません。アラフォーのサラリーマンはともかく、18才の男子高校生の好奇心と行動力がなかなかです。実際は未成年ですし、中身は拙いのですが、お互いに語らないゆえに、相手のことは部分的にしか見えてきません。なので自分の常識や思い込みで認識します。出会いからエロいこと目的ですから、そういうシーンが描かれています。

日々のストレス発散のために体目当ての相手を欲し、恋人は必要ない30才の会社員 柊は、仕事柄喋らざるを得ないので、仕事以外では極力喋りたくないドライなタイプです。それゆえにワリキリな相手が条件。
では、18才高校生 行哉はどうかというと、初見では、相手の後ろ姿はあきらかにくたびれたリーマンという印象。でも顔は綺麗めで、”くたびれた”から”儚げ”に即シフトチェンジで、「あ、イケる」と。で、実際は予想より相当よかったとなり、ハマっていきます。この行哉くん、女子にもフツーにモテるタイプですが、”女に興味ないのかも”と気付き、クラスの儚げな雰囲気の男子が気になったり...で、その儚げ男子に大学生の彼氏がいるとの噂を聞き、「そっか、男同士って手もあんのか」と、速攻でアプリを試し、ふたりは出会いました。身長176㎝、体重62kgの細マッチョです。リーマン柊さんは170cmで体重は52Kg、細身です。

回を重ね、"儚げな美人"、柊に心ごと持っていかれた行哉は、たまたま駅で柊を見かけ、思わず追ってしまいます。ストーカーじみていると自分が怖くなりつつも気になって仕方ありません。会っている時は、無表情でクールなのに、見かけた時の柊は全然違っていて、仕事の疲れを察します。ヤリモク関係なのに、気遣って「今日は飯だけ食う?」と誘い、ふたりでファミレスに入ります。そういうことが柊にも新鮮で、居心地の良さを感じます。

体の相性もよく、すごく楽であったため何度も会うことになり、双方がかなりお気に入りの関係になるも、制服姿の行哉と遭遇した柊は、行哉が高校生と知り関係を絶ちます。ここら辺のやりとりが良かったです。強気な行哉が可愛くてカッコいい。この行哉くん、なんかとてもいいです!行哉には若さゆえの強さと一途さがあって、逆に柊は年を経ての臆病さや拗らせがあり、”大人”ってなんだろね、と思いながら、いい感じに着地したと思う最終回でした。

『背伸びをして届くまで』

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作家:鳩屋タマさん

まんがの表紙帯には次のように書いてあります。
「そろそろ僕でいいんじゃない? アラフォーおっさん×エッチで一途な元教え子の執念愛」とな...

アラフォー男 柴さん(44才) 顎鬚がありまして、個人的には髭は好きじゃないので、柴さんの見た目には惹かれません。元教え子とありますが教師と生徒ではなく、小学生の時に入っていたスポーツ少年団のコーチと教え子だったという関係です。13歳の年の差、この教え子だった方は31歳のメグル。44才と31才...一般的にはオッサン二人のBLかい!とテンション下がるところかもしれませんが、メグルは見た目が若くてカワイイので全然大丈夫です。このメグルには年の離れた弟がいます。弟は20才。そして弟の彼氏は同年の31才というストーリーが『僕をしあわせにしてください』、おススメです。

メグルにとって柴さんは初恋にして長年片思いを続けている相手なのですが、実は柴さんは教員免許を持っています。教師にならなかったのは、教育実習で出会った教え子(男)との付き合いが相手の親にバレて...という事情があります。それ以降、誰かと深く付き合うことをせず、結婚もしないつもりでいました。でもなんだかんだで二人が結ばれますので安心して読めます。メグルの一途さがカワイイですし、微笑ましい。

さてさて、今回は別作品を比較で持ち出したいのですが、それは『先生なんて嫌いです。』作家:ひなこさん
高校教師と教え子のBLです。主人公である生徒が、初恋の女子に告白をするところから始まりますが、「化粧濃いよ」と、相手を怒らせてしまう言動をしてしまいます。近くに居合わせた教師が「爪も、肌も綺麗だな ちゃんと気をつかってる女の子はそれだけで魅力的だと思うよ」とフォローし、女子生徒はメロメロで「私ずっと先生のことが好きだったんです!」と、主人公は目の前で玉砕します。「生徒に手出せるかよ ーと、話しがそれたが、この方が女の好感は得られるぞ」とアドバイス される始末。「何で...告白前に失恋してるんだ俺...」と主人公は凹みます。教師は見た目の良さからも女子人気が高いのですが、この件で嫌いになる主人公。でもでも、この主人公の反応に興味を持った教師が構ってきます。翻弄されて、不本意 ながらも好きになってしまう主人公。で、最終的には特別な関係に至ります。
えっと....現役教師と生徒です。逮捕、教員免許はく奪の恐れありです。柴さんの事情と比較すると、なんとも事もなげなこと。漫画なんでね、いいんですけど。ちなみに『先生なんて嫌いです。』も面白かったです。

『クラックスター』

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作家:倉橋トモさん

大好きですから、私にとって、この作者の作品は全部読んで然るべし!となっております。

上京して一人暮らし歴5年の主人公シノの元へ真夜中に突然訪ねてきた同級生ミオ。高校3年間は毎日のようにつるんでいた仲の良かった友人だったけれど、上京後は疎遠になっていたのに...。住むところもなく金もない「だからさ 今日一晩だけ泊めてくんね?」と言います。5年のブランクがあっても速攻で縮まる距離感...それが楽しい。「久しぶりだな、こんな感じ」
でも地元の友人の話によると、ミオは仕事を辞めて実家を出ていったとのこと。
ミオ:「ホントは3か月前くらいにこっち来て、いろんな人の処 点々としてた」
シノ:「なんでもっとはやく連絡してこねーんだよ」
ミオ:「シノは俺にとって、最後の砦みたいなもん?だから、突き放されたら死んじゃうかも...」
地元の友人はこうも言っていました。「噂なんだけどさ、ミオのやつ 結婚間近の彼女居たのに 男と浮気したって どこまでホントかわかんねーけど」
ミオには言わないけれど、ミオの事情と切迫している状況を理解したシノ。「住むとこ決まってないなら、うち居たら」と救いの手を差し伸べます。それはもちろん友達として。さらに自分の勤める制作会社でのバイトも世話します。

ミオはイケメンゆえに早速女子人気をゲットし、愛想も良いのでみんなから可愛がられます。シノの記憶でも「昔からそうだ、こいつのことを悪く言うやつはみたことない」

ミオが、関係ない親会社の人(男)と意味深なやりとりをしている場を見かけたシノ。そもそもなんで俺のところに最後に来た?俺は対象外?もしかしてスルーされてムカついてる?そんな目で見ていなかった友人を意識しだします。

残業続きでヘトヘトなある日、会社の個室トイレの隣から聞こえてきた声の主はミオと親会社の男 青山、二人がヤッてる最中に遭遇します。シノくんの心境→「こんなの聴くべきじゃないのに、すっげー興奮する」そして最悪な気分に...そうとも知らないミオは普通な態度です。

この青山とミオがどういう関係かというと、
青山:「何で連絡返さないわけ?」
ミオ:「もう、こういうのやめて下さい 俺ここに居たいんで...」
青山:「居場所のない君を拾ってあげた恩は忘れたのかな 俺、ミオくんのこと気に入っちゃったからさ、他の飼い主には遠慮願いたいわけ」
ミオ:「飼われてるつもりはないです」
青山:「誰かに寄りかかって生きている君が俺に意見するの?野良猫のくせになまいきだな」
青山はミオの気持ちに気づいています。そして「君がずーっと見てる、あのバカそうな彼だけど、本当の君を知ったらどうするのかな」と脅します。

飲み会の後、先輩にフーゾクに行こうと誘われるシノとミオ。ミオは「酔いがまわちゃってー」と逃げます。ミオは愛想良しだけど、先輩いわく「こう、壁がね、一枚ある感じが寂しいな~って...」親あお睦を深めたかったゆえのお誘いでした。シノも思います「そばに居るのに俺には何も話してくれない 本当のあいつはどれなのか、とか知ってしまったら、ふらっと居なくなってしまいそうでこわい」
ミオと青山の関係に不穏なものを感じ取っていた先輩は「シノくんにしか踏み込めないと思うけど」と。言われたシノは「今日は付き合えそうにないです」と断ると、察した先輩がタクシーを譲り、シノを帰します。何気によくわかっている良い上司ですね。

帰宅したシノ、間一髪でした。ミオが出て行こうとしていたところです。「そろそろお前に頼んのも潮時かなって」と。ここでシノがバラします。「もしかして青山さんのとこ? お前らトイレでヤってただろ っつーか、地元のやつにきいてた...お前のこと」ミオが謝ります。「隠しててごめん!気持ち悪かっただろ」そしてシノにはそんな目でみていないから、絶対にそんな気になんねーからと言います。シノは無理矢理ミオの手を引っ張ってベッドに押し倒すとキスをします。「何で俺にだけ何にもはなさねーんだよ」と問われたミオは、シノにだけは知られたくなかった、シノがすきだからと告白します。で、このあと致すことになるのですが、ミオのエロスキルはかなり高いようで、シノの新しい扉は開かれてしまいました。

ここまで全部ネタバレで書いてしまいましたが、この話の中で、私が「これなぁ~!」と思うところがこの先にあります。
シノはミオと自分の関係を掴みきれずにいて、自分に好意を向けてくれる女子が表れても心躍らない。ミオとは”話合うし、趣味も合うし、楽だし、身体の相性がいい”
そしてまたもやあの先輩上司が何気に言います。「どっかに、話と趣味が合って、おちつけて、適度にエロい子おちてないかな~」と。シノ、まさに的中!ミオが該当してるじゃないですか。

これなぁ~とはこのこと。”いろいろ合う上に適度にエロい” エロいと感じる対象であるかどうかが問題だけど、同性同士の方が合うことも多いように思えます。男女の場合、その先に結婚とか見据えちゃうと打算がアリアリで、だからでしょうか、BLまんががいいのです。

最後に、シノVS青山の舌戦があります。
シノ:「居心地悪かったんじゃないすか」
青山:「次の寄生先も飽きて出て行くと思うけど」
シノ:「そうとも限んないですよ、寄り道と終点じゃ別だし
Winnerシノ!カッコいいぞ、終点に定めてるのね。