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白帯ライト級腐女子のBLまんが感想

『オスワルド』

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作家:中川カネ子さん

「このお話はオスしかいない世界 成長過程にある途中変異”メス化” それにより妊娠出産が可能 というとんでも設定で成り立っております」と前置きスタート!

動物庭園に暮らす動物たちのお話です。擬人化した容姿で、もちろん言葉も話します。調教師の調月は動物と会話できる唯一の人間です。調月から変種のホワイトライオンを育てるよう頼まれたアギフ。アギフは庭園のボスです。
突然変異、遺伝的特質、群れから孤立してるのを捕らえた闇商人から情報を得た王子が買い取ったという経緯は、どうやらアギフも同様だったようです。アギフがネコ科であることは確かですが、なんなんでしょう、チーターかな?木に登れるからヒョウかな?身体は黒。同種でない赤目のホワイトライオンのヴァルの面倒をみることになります。白く赤目の子供は希少で弱い。だから黒で強さを誇るアギフを抜擢したのだとか...とにかく短命な“白”を育てることになりました。

ヴァルはアギフにだけ懐きます。アギフが大好き。アギフもすっかり庇護欲を掻き立てられています。成長していくヴァル、もう少しで成体です。どんどんライオンに育っています。ヴァルはアギフのセフレであるキアが嫌いで、「いっそ殺しちゃおっかなー」と物騒な発言。これにはアギフの従者3にゃん組も「なんちゃって」って言ってよと心配します。ヴァルはアギフに対して”綺麗、触りたい”と性的興奮を覚え、ますますキアを敵視します。キアに掴みかかるヴァルをアギフはグーパンチで制圧しますが、殴られて怒られたショックで凹みます。そして初めての発情が起こり、ヴァルは混乱。アギフに助けを求めます。

さて、最初にあります通り、オスオンリー社会なのです。なので行為には、どちらかがメス化することになります。ヴァルはアギフを欲しがりますが、それはアギフのメス化を意味します。アギフはボスなのです。プライドがあります。しかも育ての父でもあります。本能的にアギフもヴァルを欲し始めているものの、感情がそれを許しません。

強く、美しく成長したヴァルとアギフのボス交代、そこまで理解していないヴァルは”だだっこ”のようです。アギフはヴァルと距離を置くことにしました。離れてみると、ヴァルの周りに他の連中が集まるようになり、”親離れ成功”とともに、ボス交代も示されつつあります。ただ、アギフは自らに「マジの発情キたかも」と自覚しています。それがヴァルに対してのみ反応していることに戸惑っているさなか、ヴァルは力でアギフを支配しようとします。抵抗するアギフ...膠着状態が続きますが、アギフは抗えなくなることに耐えられなくなり、結論、ヴァルを殺すことにしました。ヴァルの寝処で待ち構え「殺しに来た」と宣言し、襲いかかります。強者同士大暴れです。でもアギフに軍配は上がり、喉元を嚙みちぎる寸前までいきます。するとヴァルは、アギフと戯れて興奮したし、楽しかった。思い残すこともないと観念します。「アギフに救われた命だ アギフに殺られんならかまわない」と。結局は殺すことはできませんでした。そしてヴァル(攻)×アギフ(受)の関係に進展します。

擬人化された動物の不思議設定ですが、なんというか...しなやかなんです。特にアギフが...尻尾で”ぺしっ”と払う様だったり、戦闘シーンも動物の張力にスピード感、画力がすんばらしいです。

そしてヴァルとアギフの番誕生で、ラブラブになるわけですが、これで完結です。ただ、もしかすると続きがありそう...と思われる終わり方なので、要チェックだと思っています。