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白帯ライト級腐女子のBLまんが感想

『クラックスター』

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作家:倉橋トモさん

大好きですから、私にとって、この作者の作品は全部読んで然るべし!となっております。

上京して一人暮らし歴5年の主人公シノの元へ真夜中に突然訪ねてきた同級生ミオ。高校3年間は毎日のようにつるんでいた仲の良かった友人だったけれど、上京後は疎遠になっていたのに...。住むところもなく金もない「だからさ 今日一晩だけ泊めてくんね?」と言います。5年のブランクがあっても速攻で縮まる距離感...それが楽しい。「久しぶりだな、こんな感じ」
でも地元の友人の話によると、ミオは仕事を辞めて実家を出ていったとのこと。
ミオ:「ホントは3か月前くらいにこっち来て、いろんな人の処 点々としてた」
シノ:「なんでもっとはやく連絡してこねーんだよ」
ミオ:「シノは俺にとって、最後の砦みたいなもん?だから、突き放されたら死んじゃうかも...」
地元の友人はこうも言っていました。「噂なんだけどさ、ミオのやつ 結婚間近の彼女居たのに 男と浮気したって どこまでホントかわかんねーけど」
ミオには言わないけれど、ミオの事情と切迫している状況を理解したシノ。「住むとこ決まってないなら、うち居たら」と救いの手を差し伸べます。それはもちろん友達として。さらに自分の勤める制作会社でのバイトも世話します。

ミオはイケメンゆえに早速女子人気をゲットし、愛想も良いのでみんなから可愛がられます。シノの記憶でも「昔からそうだ、こいつのことを悪く言うやつはみたことない」

ミオが、関係ない親会社の人(男)と意味深なやりとりをしている場を見かけたシノ。そもそもなんで俺のところに最後に来た?俺は対象外?もしかしてスルーされてムカついてる?そんな目で見ていなかった友人を意識しだします。

残業続きでヘトヘトなある日、会社の個室トイレの隣から聞こえてきた声の主はミオと親会社の男 青山、二人がヤッてる最中に遭遇します。シノくんの心境→「こんなの聴くべきじゃないのに、すっげー興奮する」そして最悪な気分に...そうとも知らないミオは普通な態度です。

この青山とミオがどういう関係かというと、
青山:「何で連絡返さないわけ?」
ミオ:「もう、こういうのやめて下さい 俺ここに居たいんで...」
青山:「居場所のない君を拾ってあげた恩は忘れたのかな 俺、ミオくんのこと気に入っちゃったからさ、他の飼い主には遠慮願いたいわけ」
ミオ:「飼われてるつもりはないです」
青山:「誰かに寄りかかって生きている君が俺に意見するの?野良猫のくせになまいきだな」
青山はミオの気持ちに気づいています。そして「君がずーっと見てる、あのバカそうな彼だけど、本当の君を知ったらどうするのかな」と脅します。

飲み会の後、先輩にフーゾクに行こうと誘われるシノとミオ。ミオは「酔いがまわちゃってー」と逃げます。ミオは愛想良しだけど、先輩いわく「こう、壁がね、一枚ある感じが寂しいな~って...」親あお睦を深めたかったゆえのお誘いでした。シノも思います「そばに居るのに俺には何も話してくれない 本当のあいつはどれなのか、とか知ってしまったら、ふらっと居なくなってしまいそうでこわい」
ミオと青山の関係に不穏なものを感じ取っていた先輩は「シノくんにしか踏み込めないと思うけど」と。言われたシノは「今日は付き合えそうにないです」と断ると、察した先輩がタクシーを譲り、シノを帰します。何気によくわかっている良い上司ですね。

帰宅したシノ、間一髪でした。ミオが出て行こうとしていたところです。「そろそろお前に頼んのも潮時かなって」と。ここでシノがバラします。「もしかして青山さんのとこ? お前らトイレでヤってただろ っつーか、地元のやつにきいてた...お前のこと」ミオが謝ります。「隠しててごめん!気持ち悪かっただろ」そしてシノにはそんな目でみていないから、絶対にそんな気になんねーからと言います。シノは無理矢理ミオの手を引っ張ってベッドに押し倒すとキスをします。「何で俺にだけ何にもはなさねーんだよ」と問われたミオは、シノにだけは知られたくなかった、シノがすきだからと告白します。で、このあと致すことになるのですが、ミオのエロスキルはかなり高いようで、シノの新しい扉は開かれてしまいました。

ここまで全部ネタバレで書いてしまいましたが、この話の中で、私が「これなぁ~!」と思うところがこの先にあります。
シノはミオと自分の関係を掴みきれずにいて、自分に好意を向けてくれる女子が表れても心躍らない。ミオとは”話合うし、趣味も合うし、楽だし、身体の相性がいい”
そしてまたもやあの先輩上司が何気に言います。「どっかに、話と趣味が合って、おちつけて、適度にエロい子おちてないかな~」と。シノ、まさに的中!ミオが該当してるじゃないですか。

これなぁ~とはこのこと。”いろいろ合う上に適度にエロい” エロいと感じる対象であるかどうかが問題だけど、同性同士の方が合うことも多いように思えます。男女の場合、その先に結婚とか見据えちゃうと打算がアリアリで、だからでしょうか、BLまんががいいのです。

最後に、シノVS青山の舌戦があります。
シノ:「居心地悪かったんじゃないすか」
青山:「次の寄生先も飽きて出て行くと思うけど」
シノ:「そうとも限んないですよ、寄り道と終点じゃ別だし
Winnerシノ!カッコいいぞ、終点に定めてるのね。