『珈琲はいかがでしょう』
作家:コナリミサトさん
同作者の『凪のお暇』はドラマを毎週楽しみにしてました。原作は連載中ですが、最近の数話を読んだまで。長期連載ものは課金がしんどいので後回しになりがちです。
さて、この話、絵がかわいいので、ほのぼのゆるい話なのかと思いきや、結構ヘビーな内容だったりします。とはいえほんわかしてますけど。
主人公の過去が壮絶です。「俺、名前がねえんですよ だいぶ過去に戸籍売っ払っちゃったんで」感情がない、痛みを感じない、ヤバイこと、汚いことばかりの日々を過ごしてきた先に見つけた生きがいが”珈琲”。序盤にはそこんとこが見えず、悩める人たちに一時の安らぎを授けるお釈迦様のようでしたが、それは過去ゆえの深さも加味しているのかも...
毎回、お客さんに味わい深い珈琲を提供しています。タイトルを羅列しますと、
- 人情珈琲
- 死にたがり珈琲
- 男子珈琲
- キラキラー珈琲
- 神経衰弱珈琲
- だめになった珈琲
- たまごマン珈琲
- 金魚珈琲
- ガソリン珈琲
- ファッション珈琲
- ほるもん珈琲
- たこ珈琲
- ちゃんと珈琲
- まご珈琲
- ぼっちゃん珈琲
- 暴力珈琲
- ポップ珈琲
- 珈琲はいかがでしょう
全部いいですが、特に好きなのは『神経衰弱珈琲』
うまくいかないことにイライラしたり、不安になったり、誰にでも日々起きる状態ですが、なんだか自分だけのような気がして悩める人たち(3人)の内心が描かれ、それぞれ追いつめられているところにTHE珈琲!「砂漠の中に突如湧いた泉のよう」と。
暑くて暑くてどうにかなっちゃいそうな(暑さだけでなく仕事や人間関係に疲弊していた)ところにたまらなく美味い珈琲を得てモヤモヤを吹っ飛ばしてくれるという話です。「飲んでじゃなく、読んで効きます」とおススメしたくなるいい話でございます。
この主人公=青山さんは、雰囲気アーバンなイケメン。でもでも抱える過去は闇だらけ。そして見た目はなんだか色っぽいんです。全然別のまんがですが、『四人のにびいろ』作家:akabekoさん の妖しい少年ベティと似ているように思います。ベティはヤクザ若頭の愛人というかペットのようですが、こちらも読み進めたいと思っているところです。ただ、暴力シーンが多そうなので迷うところではあります。