今日も萌えてます

白帯ライト級腐女子のBLまんが感想

『高台家の人々』

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作家:森本梢子さん

もぉ、よかったぁ~、一気読みしました。

人の心が読めちゃう三兄弟の苦悩。こんな力があったら辛くてしょうがない。人の気持ちや考えが勝手に流れ込んでくるなんてしんどすぎるし、その上で社会生活を正常に営めるように律するなんてどんだけ苦行な人生なのでしょう。

黒髪に碧眼の美形。容姿端麗で聡明ゆえに周囲からは憧れられつつ嫉妬も買います。この状況への三人三様の対し方に個性が伺えるそれぞれが魅力的なキャラクター。慎重で理知的な長男が好きになった人は、薄ぼんやりと空想ばかりしている超庶民で平凡な庶務の同僚。この取り合わせに周囲は「なんでなんで?」となるわけだけど、長男光正くんにとっては唯一無二。“脇に徹して30年”の彼女を射止めた誰もが羨む王子様は、まさに内面に惚れたのです。辛いことや悲しいことも妄想で消化して乗り越えてしまう発想力を愛された正光のお相手木絵さん。地味で冴ない女性が選ばれた理由を「きっと前世でよっぽど良い行いをした、人柱になって村を救ってる」なんて同僚が評しているシーンがあります(笑)
女は美人でないと周囲の納得を得られないんだなぁ。

テレパスルーツはイギリス人祖母、伯爵令嬢だった。日本からの留学生、茂正に恋をして、追い回した挙句に日本まで追いかけてきちゃいます。(ちなみに祖父は日本の旧華族)べた惚れされちゃう茂正もいいんだなぁ~これが。そこんとこを描いているエピソードが一番好き。

年頃の三兄弟。恋人だの結婚だの、そりゃ人生の伴侶を求めたいけど、こんな能力があっては難しいですね。わかってしまうからこそ気遣う努力を重ね、ラブラブな人生を歩んだ祖母と祖父はあっぱれ!

ストーリー全般に笑いと思いやりがあります。

さて、2016年に映画化されていた。それを知ってさっそくプライムビデオで観ました。
う~ん…違う。まずキャスティングからイメージがつながらない。そこで勝手にキャスティングしてみました。わたし的にはこんな感じ。

長男=光正 → 斎藤工 ではなく 吉沢亮
長女=茂子 → 水原希子 ではなく 中条あやみ
次男=和正 → 間宮祥太朗 ではなく 平野紫耀
長男の恋人=平野木絵 → 綾瀬はるか ではなく 伊藤沙莉
三兄弟の祖父=茂正 → 大野拓郎 ではなく 坂口健太郎

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斎藤工さんだと“王子様”ではなく“王様” 年齢も合っていないように思います。

綾瀬はるかさんもスタイル良くて、引き締まった身体が一致しない。そんなわけで残念ながら、私には映画はいまいちでした。

一見恵まれた条件を備えているようで、実際はとんでもないハンデを抱えていて、信頼関係を築くことが相当難しいわけですが、彼らに限らず、誰しも理解者を求めても上手くいかないってコトはよくある話でしょう。”選べる”からこそ、相手を値踏みしたり、よそ見したりして選び損ねることを繰り返し、気づけば信頼できる人なんていない状況に陥るなんてアルアルではないでしょうか?むしろ選択肢は限られている方がいいのかもしれません。配偶者は家族として一番近いポジションですから、一番の味方であってほしいものです。信頼は日々の積み重ねで築かれていきますが、壊れる時は一瞬です。(実際は知らぬ間にじわじわ崩壊しているんでしょうけど...)

テレパス能力が活かせるとしたらスパイとか?
なんにも優れたところがなくても、”平凡”は幸せなのかもしれません。