今日も萌えてます

白帯ライト級腐女子のBLまんが感想

『弟の顔して笑うのはもう、やめる』

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作家:神寺千寿さん

作者はきょうだい設定が好みなのかな?
本作は姉弟、他作では兄妹(こちらは血の繋がった兄妹なので禁断度高高高)があります。最近、BLばかり読んでますんで、兄弟よりはあり得るかと麻痺している次第...

主要人物三人の三角関係が描かれています。
主人公:美羽(高3)
弟:蒼介(高2)
美羽の彼氏で蒼介の同級友達:西条くん

めちゃコミックで104話が最新で連載中で、今のところ追いついています。

美羽と蒼介は再婚親のそれぞれの連れ子なので血の繋がりはありません。でも5歳と4歳から姉弟だし、家族として暮らしています。そして西条くんは心臓に既往歴があり何度も手術を行うも完治の見込みなしという身体です。

西条くんは心臓疾患があるゆえに”諦め”に自分を慣らしていましたが、そんな自分への失望に打ちのめされて雨の中を佇んでいた時に美羽と出会います。美羽はおせっかいなタイプには見えませんが、何気にサクッと西条くんに手を差し伸べます。それで心をつかまれちゃいます。西条くんが一年遅れの高校生活で同級となった蒼介んちを訪れたら美羽がいました!級友の姉と知って、もう感激の再会だけど美羽は覚えていませんでした。後日蒼介に美羽を紹介してほしいと頼みます。そしてこのあとが問題!もしくは犯罪。
蒼甫はの誤算なのかな?断ると思っていた美羽は西条くんと付き合うことになります。
三人で合った際、西条くんと向かいあって美羽、その隣に蒼介なのですが、蒼介が見えないところで美羽の手を握っているんです。蒼介は美羽の反応を欲しがりますが美羽は応えません。そしてこの日蒼介は、ソファで寝ていた美羽に、最初は困らせるくらいのつもりで美羽の身体を触っていくうちに、寝たふりで応えない美羽を犯しちゃうのです。美羽はかたくなに目を開けません。何もなかったと全否定できるように。美羽も蒼介が好きだけど、姉でいなければならないし、家族で居続けたいと思っています。美羽の本当の弟は川の事故で亡くなっています。母の離婚原因でもあるその水難事故にかかわっている美羽はもう二度と家族が壊れることがないように願っています。この事実をこの時の蒼介は知らないのですが、それにしてもヤる?無視するお前が悪いってどんだけ勝手なの?

「...たのむから弟でいて...気まぐれに触らないで...キスもしないで...いたずらに掻き乱さないで...私はもう家族を失いたくない...」...これが美羽の思いですが、美羽も蒼介に惹かれているのでこじれていきます。
家族で出かけた初詣で親とはぐれた蒼介たちは二人で海岸沿いを歩きます。
「美羽のこと好きかもしんない」と告げられた美羽は"そんな曖昧な気持ちで(あんなことしたのか)" と思います。「...好きかもなんてそれ錯覚...興味ないおもちゃでもいざ他のコが持っていこうとしたら惜しいってやつ...だからね もうやめよ」と蒼介に返します。それに対して蒼介は「...やめねえし やめさせねーよ」
興味のないおもちゃでも...の件は、なんかわかります。共感。
9話まででこの展開です。

この状況にすっかりハマりました。どうなっていくのかが気になって更新通知を受ける度に即読んでいる次第です。

脱線しますが、夏目漱石の小説『こころ』を思い出しました。『こころ』には裏切りが描かれています。人に裏切られても耐えられるけれど、自分が自分を裏切ったならば耐えられない。時代の違いや価値観の違いはあるにせよ、裏切りを行う”先生”も”友人K”も、結局は自分のことしか考えていない自己チューで、残される”お嬢さん(後に奥さん)”に無責任です。

人は裏切るもの 誰しも裏切った経験や裏切られた経験を持っているのではないでしょうか?
相手を慮って悩む様子が蒼介には見られませんでしたが、そんな蒼介も変化していきます。その成長にやや焦る西条くん。
美羽は不安や自己嫌悪の渦中にあって家を出たいと母に言います。母は娘に何が起きているのか心配し、その原因が蒼介にあるのではと懸念します。それは蒼介の父にも伝わり、父は息子に詰問します。
父:家族として好きなのか?
蒼介:ちがう ただの異性として
父:お前が一方的にか
蒼介:ちがう とオレは思っている
父:美羽は西条くんて子とつきあってたはずだよな?お前が紹介したお前の友達なんだろう?それでもか?
蒼介:それでもだ
父:把握した 家族だろとかそういうタテマエももういい 確認したいのはふたつだ 一線越えたのか 越えたとしてお互いの合意なのか
蒼介は沈黙

最新話はここまで、続きが待ち遠しいです。

個人的には西条くん推しですが、好かない蒼介が魅力的に思えることもあったり、美羽の揺れる気持ちに共感したりもします。どちらかを選ばなければならないならばどちらも選べないという結論に達するのかな?この状況からのハッピーエンドはありえるかな?当人だけでなく親も含めて考えると難しくなります。美羽だったら、蒼介だったら、西条くんだったら、母なら、父なら、それぞれの立場に投影して妄想しています。いちばんしっくりくるのは母なのよね。美羽が心配。見守りたい。