今日も萌えてます

白帯ライト級腐女子のBLまんが感想

『笑う鬼には福きたる』

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作家:山本小鉄子さん

面白くて幸せな気持ちになる話です。
縁が導く未来、出会いで人生は変わるものですが、不幸を背負う青年が幸せになっていく様は嬉しいです。
主人公=怒谷笑は親の残した借金のため、貧乏で苦労しています。性格もちょっと卑屈。人に憐れまれたくないし、迷惑もかけたくない。そんな笑くんには友達も頼れる人もいません。借金とりは執拗にやってくるし、困っている時に高校時代の級友=福富稔持に再会します。この級友が高校を自主退学するきっかけでもあり黒歴史なのですが、福富くんは今も昔も、ただただ笑くんの力になりたい、助けたい一心なのです。。この福富くんのド直球さがたまりません。真面目な変人、面白いです。そしてこの福富くんと同タイプの福富祖父=権造じいさんがめちゃめちゃいいんです!一見厳しくも公正で、愛情深い人です。笑くんは福富くんと再会し、権造じいさんの下で仕事を紹介してもらいながら借金苦からも孤独からも抜け出せるようになります。それもこれも縁の力、良縁のもと、どんどん良い方向へ転がっていきます。ボーイズラブではありますがエロくはありません。二人の青年の成長ストーリーです。誰かのために一生懸命になれるって素晴らしい!自分のためだけにならば頑張れないことも、助けたい守りたい、その想いに駆られて持っている以上の力を発揮できるのではないでしょうか。アイツに恥ずかしくない自分になろうと頑張るのはこれまた素晴らしい。そんなふうに思える人との出会いこそ良縁ですね。

権蔵じいさんも、福富くんの姉(福富酒造の社長)も、相手の人柄や働きをちゃんとみています。職業、家柄や学歴などでの判断ではなく、本質をみて評価する人たちです。そういう目線が描かれているところにも”愛”があっていいです。